協議離婚で取り決めた養育費や財産分与の条件を「公正証書」にしておきたい——でも、弁護士に頼まないと作れないの?と迷っている方は多いはずです。

結論から言うと、夫婦間で条件の合意ができていれば、公正証書の作成は自分たちで公証役場に申し込むことができます。この記事では、その流れ・費用の考え方・必要書類と、申し込む前に決めておくべき条件を整理します。

公正証書とは?離婚で作る意味

公正証書は、法務大臣に任命された公証人が作成する公文書です。離婚の場面では、養育費・財産分与・慰謝料などの取り決めを「離婚給付等契約公正証書」として残すために使われます。

最大のポイントは、強制執行認諾文言を付けておくと、養育費などの金銭の支払いが滞った場合に、裁判を経ずに強制執行の手続きへ進める効力が認められている点です。口約束や自作の合意書と比べて、支払いの実効性が大きく変わります。

日本公証人連合会
公正証書の制度・全国の公証役場の案内(公式サイト)

自分で作る場合の流れ(4ステップ)

1
夫婦で条件を合意する
親権・養育費・親子交流・財産分与・年金分割・慰謝料など、公正証書に盛り込む条件を二人で決めます。ここが最も時間のかかる工程です。
2
公証役場に申し込む
全国の公証役場から都合のよい場所を選び、電話等で相談を申し込みます。合意した条件のメモや必要書類を伝えられるよう準備しておくとスムーズです。
3
公証人と内容を打ち合わせる
公証人が合意内容を確認し、公正証書の案文を作成します。不明点や不足している取り決めがあれば、この段階で指摘を受けられます。
4
夫婦双方が出向いて署名・押印
作成日に原則として夫婦双方が公証役場に出向き、内容を確認のうえ署名・押印して完成です。

費用はどう決まる?

公証人手数料は、取り決める内容の金額(目的の価額)に応じて法令で定められています。養育費の総額や財産分与の額が大きいほど手数料も上がる仕組みです。

具体的な金額は改定されることがあるため、最新の手数料表は日本公証人連合会のサイトか、申込先の公証役場で確認してください

全国公証役場一覧(日本公証人連合会)
最寄りの公証役場の連絡先を探せます

必要書類の例

ケースによって必要な書類は変わるため、申し込み時に公証役場へ確認するのが確実です。

申し込む前に決めておくべき条件チェックリスト

公証役場は「二人で合意した内容」を公正証書にする場所です。つまり、申し込む前にどれだけ条件を整理できているかで、打ち合わせの回数も完成までの時間も変わります。最低限、次の項目を確認しておきましょう。

条件の整理は、アプリで順番に
離婚準備アプリ movell なら、上のチェックリストの項目をステップ形式で整理して、そのままPDFで出力できます。公証役場への持ち込みメモとしても使えます。
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自分で作るのに向くケース・専門家に相談すべきケース

自分で進めやすいケース

弁護士への相談を検討すべきケース

費用面で弁護士への依頼が難しい場合は、国が設立した法テラス(日本司法支援センター)で無料法律相談や費用の立替制度を利用できる場合があります。

法テラス(日本司法支援センター)
収入等の条件を満たす場合、無料法律相談などを利用できます

よくある質問

離婚の公正証書は夫婦だけで作れますか?
夫婦間で条件の合意ができていれば、弁護士に依頼せず公証役場に直接申し込むことができます。公正証書自体を作成するのは公証人です。条件に争いがある場合は弁護士への相談を検討してください。
作成にはどれくらいの期間がかかりますか?
公証役場の混み具合や打ち合わせの回数によって変わります。条件が事前に整理できているほど、打ち合わせが少なく済み、完成までが早くなる傾向があります。
2026年4月の民法改正(共同親権)は公正証書に関係ありますか?
2026年4月施行の改正民法により、離婚後の親権について共同親権・単独親権の選択肢ができました。親権の取り決めは公正証書に盛り込む中心的な項目のひとつなので、改正内容を踏まえた話し合いが必要です。詳細は法務省の解説ページをご確認ください。
法務省|父母の離婚後の子の養育に関する民法等の改正
共同親権を含む2026年4月施行の改正内容の公式解説

まとめ

公正証書は「合意ができた夫婦」にとっては自分たちで準備できる手続きです。そして、その成否は公証役場に行く前の条件整理でほぼ決まります。まずは決めるべき項目を一覧にして、何が合意済みで何が未決かを見える化するところから始めてください。