協議離婚は、夫婦が話し合って離婚に合意し、離婚届を提出する方法です。裁判所の手続きを経ずに進められますが、離婚届に署名する前に整理しておきたいことは少なくありません。

この記事では、協議離婚の手続きと、親権・養育費・親子交流・財産分与など、離婚届を出す前に話し合っておきたい条件を順番に確認します。

協議離婚とは

協議離婚は、夫婦の合意に基づく離婚です。離婚届が受理されることで成立します。離婚の理由を裁判所に示す手続きではありません。

一方、離婚そのものや条件について話し合いがまとまらない場合、または相手と直接話し合うことが難しい場合には、家庭裁判所の夫婦関係調整調停(離婚)を利用できます。

裁判所|夫婦関係調整調停(離婚)
話し合いがまとまらない場合に利用できる家庭裁判所の手続

協議離婚の手続き

1
離婚することを話し合う
夫婦双方が離婚に合意できるかを確認します。合意を強制された事情がある場合や、DV・脅迫などで安全に話し合えない場合は、直接の協議を続けず専門機関へ相談してください。
2
離婚後の条件を整理する
親権、養育費、親子交流、財産分与など、自分たちに必要な項目を整理します。口頭だけで終わらせず、合意した内容を書面に残すことも検討します。
3
離婚届を準備する
協議離婚の離婚届には、夫婦の記入に加えて成年の証人2名の署名が必要です。押印は任意です。
4
市区町村へ提出する
届出人の本籍地または所在地の市役所・区役所・町村役場へ提出します。手数料はかかりません。本人確認書類や追加書類の取扱いは提出先へ確認してください。
法務省|離婚届
提出先、本人確認、証人、手数料などの公式案内

離婚届を出す前に話し合うこと

離婚届の提出と、離婚後の生活条件の整理は別の問題です。届出を急ぐ前に、該当する項目を確認しておきましょう。

こどもに関すること

2026年4月1日以降、協議離婚では父母の双方または一方を親権者として定めることができます。共同親権と単独親権のどちらかが一律に原則ということではなく、こどもの利益を基準に考えます。

親権者の指定について協議がまとまらない場合は、家庭裁判所の調停・審判を利用できます。所定の申立てをしている場合に親権者を定めず離婚届を提出できる例外もあるため、該当する場合は家庭裁判所と届出先の市区町村へ確認してください。

法務省|離婚後の共同養育計画作成支援ページ
親権、生活場所、養育費、親子交流などを考えるための公式案内

お金と財産に関すること

すべての夫婦に同じ項目が必要なわけではありません。まず対象となる財産や希望条件を書き出し、合意済み・未定・確認が必要なものに分けると、話し合いを進めやすくなります。

合意した条件は書面に残す

養育費や財産分与などの合意は、後から内容を確認できるよう書面に残すことを検討してください。金銭の支払いについて将来の強制執行に備えたい場合は、強制執行認諾文言を付けた公正証書という方法もあります。

ただし、公正証書は夫婦の合意内容を公証人が文書にするもので、条件に争いがある状態を解決する手続きではありません。内容に迷う場合や、財産関係が複雑な場合は専門家への相談を検討してください。

movell|離婚の公正証書は自分で作れる?
作成の流れ、費用、必要書類と事前に決めておくこと
話し合う前に、自分の希望を整理
離婚準備アプリ movell では、親権・養育費・親子交流・財産分与など、必要な項目だけを選んで順番に整理できます。未定の項目を残したまま進め、整理結果をPDFで確認できます。
App Storeからダウンロード
¥1,500・買い切り・サブスクなし・入力データは端末内保存

直接話し合わない方がよい場合

DV、脅迫、強い監視や支配がある場合、無理に二人だけで協議することが安全とは限りません。身の危険を感じる場合は記録や条件整理より安全確保を優先し、DV相談+、警察、自治体の相談窓口などへ相談してください。

DV相談+(プラス)
電話・チャット等で相談できる国の窓口

よくある質問

協議離婚にはどのような手続きが必要ですか?
夫婦が離婚に合意し、離婚届に必要事項を記入して市区町村へ提出します。協議離婚の離婚届には成年の証人2名の署名が必要です。本人確認書類や追加書類の扱いは、提出先の市区町村へ確認してください。
離婚届を出す前に何を決めておくべきですか?
未成年のこどもがいる場合の親権、こどもの生活場所や養育の分担、養育費、親子交流のほか、財産分与、年金分割、慰謝料などを整理します。必要な項目は家庭ごとに異なります。
話し合いがまとまらない場合も協議離婚できますか?
離婚そのものに合意できない場合や話し合いができない場合は、家庭裁判所の夫婦関係調整調停(離婚)を利用できます。親権者の指定について協議がまとまらない場合にも、家庭裁判所の手続を利用する方法があります。

まとめ

協議離婚の届出自体は、離婚届を準備して市区町村へ提出する手続きです。しかし、届出後の生活を左右するのは、提出前にどこまで条件を整理できているかです。

すべてを一度に決めようとせず、まず自分に必要な項目と希望を書き出し、話し合えること・専門家に確認したいことを分けるところから始めてください。