離婚するときに親権・養育費・財産分与などを話し合っても、口約束のままだと後から「言った言わない」になりやすいものです。離婚協議書は、その話し合いの結果を書面に残しておくためのものです。
この記事では、離婚協議書を自分たちで作る手順、書いておきたい項目、公正証書との違いを整理します。
離婚協議書と公正証書の違い
どちらも「話し合った離婚条件を書面にする」点は同じですが、効力が異なります。
- 離婚協議書:夫婦がそれぞれ作成・署名する私文書。契約書としては有効だが、相手が支払わない場合に裁判所の手続きなしで強制執行はできない
- 公正証書:公証役場で公証人が作成する公文書。執行認諾文言を入れておけば、養育費の未払いなどの際に裁判をせずに強制執行の手続きに進める
まずは協議書として条件を書面化し、後から公正証書にする、という進め方も可能です。公正証書は協議書の内容をもとに作成するため、先に条件を整理しておくこと自体に意味があります。
作成前に、条件を整理しておく
協議書を書き始める前に、親権・養育費・財産分与・親子交流など、話し合っておくべき項目が整理できているかを確認します。項目の全体像は離婚条件チェックリスト、相談前の準備は弁護士へ相談する前に整理することで確認できます。
協議書に書いておきたい項目
- 夫婦の氏名・離婚日(離婚届の提出日)
- 親権者を夫婦のどちらにするか
- 養育費:金額、支払時期・方法、支払う期間(いつまでか)
- 親子交流(面会交流):頻度、方法、連絡手段
- 財産分与:対象財産と分け方、住宅ローンがある場合の取り扱い
- 年金分割:按分割合を定める場合はその割合
- 清算条項:本書に定めるほか、互いに債権債務がないことの確認
- 公正証書にする場合は、執行認諾文言を入れる旨
財産分与の対象範囲や住宅ローンの考え方は財産分与の記事、養育費の金額の目安は養育費の記事で解説しています。
スマホで下書きを作る
紙に手書きで一から書き出すと、項目の抜け漏れが起きやすくなります。まずはスマホでもPCでもよいので、話し合った内容を項目ごとにメモとして整理しておくと、書面にまとめる作業がスムーズになります。
離婚準備アプリ movell では、親権・養育費・財産分与などの項目ごとに整理した内容をPDFで書き出せます。このPDF自体が離婚協議書になるわけではありませんが、話し合った内容を漏れなく確認しながら、協議書の下書き・たたき台として使えます。
作成後の流れ
- 夫婦それぞれが内容を確認し、署名・押印する(実印である必要はないが、印鑑登録した実印にしておくと後日の証明がしやすい)
- 2通作成し、それぞれ1通ずつ保管する(ページが複数枚になる場合は契印を押す)
- 強制執行まで見据える場合は、協議書の内容をもとに公証役場で公正証書の作成を申し込む
法務省では、養育費や親子交流の取り決め方について、合意書のひな形を含む案内を公開しています。
法務省|こどものための共同養育計画書養育費・親子交流の取り決めとひな形についての公式案内 法務省|離婚届に関する Q&A(PDF)
養育費の取り決めと離婚届の記載についての公式資料 日本公証人連合会|公証役場一覧
公正証書を作成する場合の相談先
よくある質問
離婚協議書だけで法的な効力はありますか?
スマホやアプリで作成した内容は、そのまま離婚協議書として使えますか?
後から公正証書に変更することはできますか?
まとめ
離婚協議書は、話し合った条件を「言った言わない」にしないための書面です。まずは項目の抜け漏れがないように整理し、必要に応じて公正証書への切り替えも検討しましょう。